2022年6月7日(火)

戦後77年、わたしたちの現在地。マームとジプシーによる『cocoon』を7/30、7/31に京都芸術劇場 春秋座で上演。

プレスリリース

日常を手放すことを余儀なくされた戦時下の少女たちを描く、待望の再演作『cocoon』。

学校法人瓜生山学園 京都芸術大学 舞台芸術研究センターの主催で、京都芸術劇場 春秋座にて、2022年7月30日(土)と7月31日(日)にマームとジプシーによる『cocoon』を上演いたします。

 

 

2013年夏、演劇作家・藤田貴大率いるマームとジプシーは漫画家・今日マチ子『cocoon』を原作に、沖縄戦に動員される少女たちに着想を得て、作品を製作、発表。演劇界を震撼させた舞台版は、少女たちの賑やかな日常が戦争によって否応なしに死と隣り合わせの日々へと変わっていく様子が、切実さを持って描写され、2016年には読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞しました。沖縄という土地に出会った藤田が、初演後も頻繁に現地へ足を運び、「今」という時間を見つめて現代の沖縄に流れる時間から得た体感を取り入れて再演。初演から7年を経た沖縄日本復帰50周年の2022年、少女たちが戦争で見た凄惨な現実世界と、想像の繭(cocoon)の中の美しくも儚い空想を描きます。

 

・開催概要
マームとジプシー『cocoon』
日時:2022年7月30日(土) 18:00 開演 (17:15開場)
2022年7月31日(日) 13:00 開演 (12:15開場)
※30(土)は上演終了後に藤田貴大によるアフタートークあり
会場:京都芸術劇場 春秋座 (京都芸術大学内) 〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116
URL:https://k-pac.org/events/6066/

原作:今日マチ子(「cocoon」秋田書店)
作・演出:藤田貴大(マームとジプシー)
音楽:原田郁子
出演:青柳いづみ、菊池明明、小泉まき、大田優希、荻原綾、小石川桃子、佐藤桃子、猿渡遥、須藤日奈子、高田静流、中島有紀乃、仲宗根葵、中村夏子、成田亜佑美
石井亮介、内田健司、尾野島慎太朗
企画制作:合同会社マームとジプシー
主催:京都芸術大学 舞台芸術研究センター
後援:京都市教育委員会
チケット料金:一般¥5,000、京都芸術劇場友の会¥4,800、学生&ユース¥2,500、高校生以下¥1,500<全席指定・税込>

<公演に関するお問合せ>
学校法人瓜生山学園 京都芸術大学 舞台芸術研究センター
〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116
EL:075-791-9207 FAX:075-791-9438
https://k-pac.org/
広報担当:後藤 t-goto@office.kyoto-art.ac.jp 制作担当:井出・藤井 h-fujii@office.kyoto-art.ac.jp

 

・公演に寄せて―藤田貴大

いつだってずっと、もう何年も。どこか内側に在るシーンというシーンは、眼裏で目まぐるしくリフレインしている。最速のスピードを持って、脳内を駆けめぐる。

あの季節の、あの湿度のなかを走りつづけている。もしくは、歩いている。校舎のなかを。休み時間、教室から教室へ。廊下を、歩いている。なんともない日々の眺め。しかし、その平穏さが一変する瞬間。いつのまにか忍びよっていた影に気づかずに、ある瞬間。いとも簡単に内側は壊されて、破裂した。

わたしたちは、終わることのない”cocoon”のなかを生きている。生きるしかない。

どういう音のなかで。どんな感触を持って。わたしたちは歩くだろう。走るだろう。旅にでたわたしたちは、どこでだれと出会って。なにを想うだろう。出会っただれかのなにかに、触れることはできるだろうか。

現在、変わることのなかったこの世界を生きて。あのあとの、そのあとの世界をどうして生きるのかという問いに抗いながら、でもやはり生きて。なにを想像するだろう。

もうとっくに内側は、空想の繭は破裂している。外に放り出されて、ただ立ち尽くして。なにを見つめて。耳を澄ませて。想像するか。

歩いて、そして走る。届くはずのない足音がここまで届いている気がするから。

2022.4.25    藤田貴大

 

・現在って未来を、過去のひとたちは想像していたのだろうか。

2013年夏、演劇作家・藤田貴大率いるマームとジプシーは漫画家・今日マチ子『cocoon』を原作に、沖縄戦に動員される少女たちに着想を得て作品を製作、発表。少女たちの賑やかな日常が戦争によって否応なしに死と隣り合わせの日々へと変わっていく様子を、切実さを持って描いたものです。初演では演劇界のみならずあらゆるジャンルのクリエイター及び観客より激賞を受けました。そして、2015年には東京芸術劇場とマームとジプシーが新たにタッグを組んで、沖縄含む全国6都市ツアーを開催し、その翌年には、本作にて藤田が第23回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞。ついに今夏、再演から約7年の月日を経て、待望の上演が決定。マームとジプシー設立15周年を迎えるこの年にMUM&GYPSY 15th anniversary year vol.2と銘打ち、沖縄から北海道まで全9都市を巡ります。

 

・現代の沖縄に流れる時間

2013年『cocoon』に取り組み、沖縄に出会った藤田は、その後も頻繁に沖縄へ足を運び、「今」という時間を見つめました。2022年2月には、那覇文化芸術劇場なはーとのこけら落としプログラムとして、藤田の最新作『Light house』を劇場と共同で製作し、発表。その製作期間中には、ソーセージ・チーズ・ビール・パン屋などの製造業の方々、小書店・カフェのオーナー、沖縄の雑誌編集長、那覇でホテルを経営する建築家の方々など、現地で実際の営みの場を持つ方との対談を実施。また、沖縄在住の方を対象としたZoomワークショップを開くなど、沖縄に住む方々と出会い、多くの対話の場を設けました。こういった時間を重ねて生まれた作品『Light house』では、人々の記憶や歴史の断片を「水の流れ」と結びつけて舞台を展開させました。インタビューや書籍・資料からの情報だけでなく、『Light house』を経て、藤田自身が体感した現代の沖縄に流れる時間も含め、改めて『cocoon』という作品を描きます。

 

・出演者プロフィール


今日マチ子
東京都出身。東京藝術大学、セツ・モードセミナー卒。自身のブログで、ほぼ毎日更新している1ページのショートマンガ『センネン画報』が単行本化され注目を集める。2005年に第1回「ほぼ日マンガ大賞」入選。2006年と2007年に『センネン画報』が文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」に2年連続で選出。2010年に『cocoon』、2013年に『アノネ、』がそれぞれ、文化庁メディア芸術祭「審査委員会推薦作品」に選出。2014年に『みつあみの神様』で手塚治虫文化賞新生賞、2015年に『いちご戦争』で 日本漫画家協会賞大賞(カーツーン部門)を受賞。その他の作品に『みかこさん』『みつあみの神様』『ぱらいそ』『百人一首ノート』『夜の大人、朝の子ども』『Distance わたしの#stayhome日記』など多数。

 

藤田貴大
マームとジプシー主宰/演劇作家。1985年生まれ。北海道伊達市出身。2007年、演劇ユニット「マームとジプシー」を旗揚げ。以降全作品の作・演出を担当。2011年6月~8月にかけて発表した三連作『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』で第56回岸田國士戯曲賞受賞。13年、15年に太平洋戦争末期の沖縄戦に動員された少女たちに着想を得て創作された今日マチ子の漫画『cocoon』を舞台化。同作で16年、第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。著書に『おんなのこはもりのなか』、『Kと真夜中のほとりで』、『mina-mo-no-gram』(今日マチ子との共著)『蜷川幸雄と「蜷の綿」』(蜷川幸雄と共著)他。20年7月初の小説集『季節を告げる毳毳は夜が知った毛毛毛毛』(河出書房新社) を上梓。http://mum-gypsy.com

 

原田郁子
1975年福岡生まれ。1995年にスリーピースバンド「クラムボン」を結成。歌と鍵盤を担当。1999年にシングル「はなれ ばなれ」でメジャーデビュー。バンド活動と並行して、さまざまなミュージシャンとの共演、共作、ソロ活動も精力的に行っており、舞台音楽、CM歌唱も多数ある。これまでにソロアルバム『ピアノ』(2004年)、『気配と余韻』『ケモノと魔法』『銀河』(2008年)を発表。2010年、吉祥寺の多目的スペース&カフェ「キチム」の立ち上げに携わる。2013年より劇団「マームとジプシー」の舞台『cocoon』、『めにみえない みみにしたい』、『かがみ まど とびら』の音楽を担当。2020年11月公開映画『青い、森』の主題歌を担当。2021年6月、新曲「アップライトピアノ』をYouTube「キチム - kichimu」チャンネルで映像公開。10月には寺尾紗穂との共作『傘の向こう』を配信リリースした。 クラムボン http://www.clammbon.com/


・『cocoon』ツアーについて
『cocoon』は2020年夏、全6都市を巡るツアーの開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大予防の観点より全都市の公演を中止。そこから約2年、2022年の今年の上演に向けて続けてきた作業の断片を「cocoon works」 として公演特設サイトで公開しています。
http://mum-cocoon.com


・京都芸術劇場(春秋座・studio21)について
2001年に京都造形芸術大学(現 京都芸術大学)内に開設された、国内の高等教育機関では初めて実現した大学運営による本格的な劇場です。主に歌舞伎の上演を想定してつくられた大劇場=春秋座と、主に現代演劇・ダンスの上演を想定してつくられた小劇場=studio21という、まったくタイプの異なる二つの空間から成り立っており、伝統演劇・芸能から最先端のマルチメディア・パフォーマンスまで、現代の多様な舞台芸術(=performing arts)を幅広くカバーできる施設を誇っています。
舞台芸術を通じて京都における伝統と創造の姿を全国へ、そして世界へと発信しています。

 

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