人生において、転機というものがあります。
私にはそれが、二度ありました。

一つ目は、京都造形芸術大学という大学に入学したこと。
受験した理由は、請求した資料に同封されていた、詳直先生の
「藝術立国―平和を希求する大学をめざして―」を読んで、あまりにも感動したから。
最初の受験はあまりにも熱が入りすぎたのか、論文が支離滅裂で受かりませんでした。

二回目の受験で、少し客観的になれたのか、やっと合格できました。
こうして念願の京都造形芸術大学に入学できました。

在学中はまさに夢の様で、毎日が楽しく新しい経験ばかり。
沢山の素晴らしい先生と友人に出会えたことは今でも誇りであり私の宝物です。

そして、第二の転機は、2年前。
現状に満足できず、自分の人生を替えたいと願い、路頭に迷う日々。
一心不乱に命をかけてできる仕事をしたい・・
自分の力を最大限に使えることは何か・・
誰かのために真に役に立つことを仕事としたい・・

暗中模索する日々を過ごす中、吸い寄せるように出会ったのは先生の著書「藝術立国」。

そして、それまで8年勤務した会社を退職。

やはり、自分の限られた人生は藝術と教育の為に捧げたい、そう確信した瞬間でした。


芸術とは何か。
芸術は戦争を抑止できるか。
芸術は地球上から貧困を根絶する力になるか。
芸術は人類の新たな救世主たりえるか。

美とは何か。愛とは何か。
人間とは、そして、生命とは―。

いつもこの言葉を胸に問いかけます。

道半ばではありますが、今自分が選んだ道は、誤っていないと確信している日々です。

人生で2回も影響を与えてくれた先生に、最後できれば直接お目にかかりたかった。
残念ながらそれは叶わぬことですが、
これからも、目標に向かって前進し、夢を実現していきたいと思います。

大学をつくってくれて、ありがとうございます。

2005年度卒業 総合造形 児玉香織　(現在は 株式会社HASUNAに勤務)

理事長とお話をしていた。
理事長はいつも定位置の椅子に座って、私はそばに立って話していた。

すると突然、
「どうして、君は私を見下ろすんや。」
と、穏やかな表情でおっしゃった。

私は、冗談で、
「私、背が高いので、申し訳ありません。私も実は背が高いの嫌なんですよね。」
と笑って答えた。

すると、理事長は少し笑いながら、
「そんなこと言うたらいかん。人はその人に合った一番美しい形で生まれてくるんや。」
とおっしゃった。

この一言で私のコンプレックスは自信へと変わった。

德山詳直先生と出会えたことは私の人生の中で幸せな出来事だった。
本当に尊敬できる、大好きな方でした。


東北芸術工科大学　職員

折れそうになりながらも自分が学校に来られているのは、詳直理事長が作った学校だからだと思います。百科学で戴いた「藝術立国」には胸が熱くなりました。ここにきて良かった